テナント退去やリニューアルに伴い必要となる「内装解体工事」。
中でも原状回復のために行われるスケルトン工事は、費用や作業範囲、原状回復義務の内容によって工事内容が大きく異なります。
この記事では、店舗内装の解体工事の流れや費用相場、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
スケルトン工事とは?
スケルトン工事とは、テナント物件から「内装・設備・造作をすべて撤去し、コンクリートむき出しの状態(躯体)に戻す工事」のことです。
主に以下の場面で必要になります:
- 賃貸契約の「原状回復義務」によりスケルトン返却が求められる場合
- 新規テナント入れ替えに伴う内装一新
- ビルオーナー側の指定やビル管理規定に従うケース
内装解体(スケルトン工事)の基本的な流れ
- 1. 現地調査・打ち合わせ
物件の構造や設備の状況、返却条件などを確認。管理会社の原状回復仕様書も参考にします。 - 2. 見積もり提出・契約
見積書には「撤去範囲」「養生・搬出経路」「工期」などが明記されているか確認を。 - 3. 養生・近隣挨拶
共用部や床、エレベーターなどを保護し、ビル内他テナントへ工事案内を実施。 - 4. 解体工事開始
什器・内装・床・壁・天井・空調・水道などを撤去。粉じん・騒音対策をしながら進行。 - 5. 廃材処分・清掃
建設系廃棄物を分別・運搬・適正処理後、現場清掃まで行います。 - 6. オーナー検査・引き渡し
指定通りの状態に戻っているかを確認後、無事に引き渡し完了。
スケルトン解体にかかる費用の目安
スケルトン工事の費用は、物件の広さ・構造・階数・搬出経路などで大きく変動します。
店舗面積 | 費用の目安 |
---|---|
10~20坪(小規模テナント) | 20万〜60万円 |
30~50坪(中型飲食店など) | 60万〜150万円 |
50坪以上 | 100万円〜300万円以上 |
※以下の費用が含まれる場合が多いです:
- 養生・搬出経路確保費
- 内装・床材・壁材・天井材の撤去
- 給排水・電気・空調設備の撤去
- 廃材の分別・運搬・処分費
- 作業員の人件費・管理費
費用を抑えるためのポイント
- 早めに現地調査・相見積もりを取る
- 自分で什器・在庫などを事前撤去
- 原状回復の「範囲」を管理会社と確認
天井・壁・床すべて必要とは限りません - 夜間工事・休日工事が必要か確認
ビル規約によっては割増料金がかかるケースあり
原状回復とスケルトン工事の違い
原状回復とは、借りたときの状態に戻す工事。
一方でスケルトン工事は、「躯体むき出し」にするため、内装だけでなく設備の撤去まで求められることが多いです。
契約書・仕様書を確認し、どちらが求められているかを必ずチェックしましょう。
まとめ:スケルトン工事は計画と確認がカギ
店舗の内装解体・スケルトン工事は、退去費用として大きな出費になるため、早めの準備・相見積もり・条件確認が非常に重要です。
管理会社とのやり取りや工事範囲のすり合わせも大切なので、経験豊富な解体業者に相談することをおすすめします。